- Step 1
- Step 2
- Step 3
- Step 4
- Step 5

初級編をみて結晶作ったけど物足りないなあ

中、上級編ではより難易度の高い方法を紹介するよ。
少ない量のビスマスでも満足度の高い結晶が得られるよ。
初級編の方法をトライされた皆様いかがでしたか?満足のいく結晶を得られたでしょうか?ビスマスを1、2㎏程度しか使用できないと、あまり大きな結晶は採取できなかったかもしれませんね。
中、上級編では少ないビスマスの量である程度満足の得られる結晶の作り方を紹介します。融けたビスマスを流し出す作業を行いますので、注意して作業に当たってくださいね。
うまくいけば下の写真のようにカップの中に結晶が成長します。結晶を採取することも可能ですが、そのまま飾ったり、ペーパーウェイトとして活用したほうが素敵だと思います!

少ないビスマスの量で、満足の得られる結晶の作り方が分かります。
ビスマス結晶をつまみ上げる方法にトライし、物足りない方。
作業の前に
ビスマスを融かすには約270℃という高温が必要になります。油で揚げ物を行うよりもはるかに危険と考えてください。安全と保護具に関する記事をまだ読まれていない方は必ず目を通してから作業を行ってくださいね。
実際に作ってみよう!
今回はビスマスが固まる過程で、まだ融け残っている部分を流し出して結晶を取り出す方法を紹介します。各工程ごとに説明していきますので挑戦してみてください。
ビスマスを融かそう!
今回は65mlのプリンカップを使用します。ビスマスチップが500g以上残っていない場合は作業が追加になりますので下の段落を見てくださいね。

ビスマスチップが残っている場合

ビスマスチップが500g以上ある場合は「初級編」と同じようにカップにビスマスチップを入れて溶かしましょう。この後でプリンカップをつかむ作業があるので融かしたビスマスが8割程度になるようにしてくださいね。

融けたら加熱を止め、酸化被膜を取り除く工程に入ります。
ビスマスチップが残っていない場合
初級編でビスマスチップを全部使ってしまった方は、再度溶かして65mlのプリンカップに注ぎ込む必要があります。危険な作業になりますので、気をつけてください。
ビスマスを融かす前に、流し入れるカップを用意します。今回は65mlのプリンカップを使用します。融けたビスマスを融かし入れる作業を行うので、カップの周りには物を置かないようにしましょう。
大き目の容器にビスマスを入れコンロで加熱し、十分に融けたら加熱を止めます。ウォーターポンププライヤーでカップのふちをつかみ、ゆっくりと持ち上げてください。ゆっくりとカップを傾けてビスマスを注ぎこんでいきます。多少こぼれてもあわてず注ぎこみましょう。
この後で65mlのカップをつかむ作業がありますので、入れる量は8割程度にしてください。

次の酸化被膜を取り除く工程に進みましょう。
結晶を成長させる
酸化被膜を取り除く
ビスマスが融けたら、加熱を止め表面の酸化被膜を取り除きます。融けたビスマスの表面にはパサパサした灰色の膜が浮いていると思います。これは空気と触れて酸化した酸化ビスマスです。そのままでも問題ないですが、仕上がりの美観を損なうためすくい取りましょう。

すくってもすくっても表面には新たな酸化ビスマスが形成されます。1、2回すくえば表面はきれいになるので、何回もすくう必要はありません。
静置する
加熱が終わり、表面の酸化被膜を取り除いたら振動を与えないように静置しましょう。結晶を作っていると固まっているか確認をしたくなりますが、結晶を作製するには振動を与えずに静かに置いていたほうがいいです。
冷えてくると表面が固まり、黒い部分が増えてきます。内部の様子は見えないですが、表面の裏側やカップの底、壁面も固まりながら結晶が成長していきます。表面すべてが固まってしまうと内部の融けたビスマスを流し出せなくなるので、黒い部分が表面を覆いつくす前に次の工程に移りましょう。

融け残ったビスマスを流し出す
表面がすべて固まる前にビスマスを流し出します。ビスマスを受けるカップを用意してください。ウォーターポンププライヤーでカップのふちをつかみ融け残ったビスマスを流し出します。

融けたビスマスが残らないように、流し出しながら徐々に角度をつけていきます。最終的に下の写真のようにほぼひっくり返った状態にし、融けたビスマスを流し切ります。プリンカップが落下しないようにウォーターポンププライヤーをしっかりと掴んでください。

融けたビスマスを流し切ったら冷めるまで放置します。冷えるまでの時間をコントロールすることで、色が変化します。
結晶を取り出す
十分にビスマスが冷めたらカップから結晶を取り出します。しっかりとカップに密着しているため、プラスチックハンマーを使って結晶が壊れないように慎重に取り出します。叩く場所にもコツがあります。むやみにたたいてもカップから取り出せません。

肝心の叩く場所ですが、上の写真のようにカップのふちを「内側から」叩くようにしてください。カップを回しながら、外れるまで根気よくかつ丁寧に叩きましょう。また、うっかり自分の手をたたいても怪我を低減するために手袋をはめて叩きましょう。
無事に外れ、上記のようにカップ型になっていれば大成功です。中に結晶ができているのが分かるでしょうか?静置時間によっては壁面が薄く、半分に割れてしまうこともあります。失敗してもやり直せるので、静置時間を延ばすなど工夫をしてみましょう。
加工する
プリンカップから取り出した状態で結晶がよく見える状態であればかなりラッキーです。たいがいは中の様子が見えても結晶の一部が見える程度だと思います。そこで、結晶がよく見えるように加工をします。
側面に穴が開いているようであれば、中の様子を確認しながらラジオペンチを用いて慎重に穴のサイズを広げていきましょう。上部のふちの部分もはぎとると中に光がよく入り、結晶の様子がよく見えておすすめです。
ビスマスをはがしていき、納得のいく形になったら完了です。ずっしりと重みがあるのでこのまま飾ったり、ページウェイトとして使用するのがおすすめですよ!
まとめ
- 融け残ったビスマスを流し出す方法です。
- 出来上がった結晶はペーパーウェイトとして活用できます。
- 工夫をすればピンクや緑色の結晶を得ることも可能です。
気に入った結晶はできたでしょうか?もしできなくても再び融かしてやり直すことができます。結晶を成長させるための静置時間を長くするなど工夫をしてみてくださいね。
私は作り始めた頃、カップからなかなか外せず、叩いて叩いて叩いて結晶が割れてしまいました。。。